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自分の中の分断を癒そう

 

いやあ…盛り上がりましたね、アメリカ大統領選。

 

私は、YouTubeでCNNやABCなどアメリカのテレビ放送をしっかりウォッチしていましたら、思いがけず自分の感情プロセスに直面する羽目に…(^^;

 

 

何が起こったかと言うと、開票が始まった当初はトランプさんの得票がグイグイ伸びていって、「あー、また4年間もトランプさんと攻撃的な支持者の人たちが天下を取る日々が続くのか」と思った途端に、ものすごい恐怖が襲ってきたんです。

 

私の中で、トランプさんとその支持者たち、そして子どもの頃に私を集団でからかった男の子や集団で無視をしてきた女の子たちの姿が重なったんですね。

 

 

ちなみに、これを心理学用語で”投影”と呼びますが、世界をありのままの姿ではなく、自分の信念や思い込みのフィルターを通して見ている状態です。

 

私の場合は、トランプさんや支持者の人たちが私を個人攻撃してくるなんて現実にはまずあり得ないのに、怖くて怖くてたまらない。それは何故かというと、過去の記憶、つまり幼稚園とか小学校の時に、攻撃的な男の子たちにからかわれたとか、女の子に集団で無視された、などの怖かった思い出がトランプさんのニュースが引き金となって甦ってきたんですね。

 

その夜は、その怖い感情に蓋をせずに感じるままにして、何が起こるか自分の内面を見つめることにしました。

 

すると、その怖い感情が涙とともに変化していくにつれて、ある気づきが生まれたんです。

 

それは、彼らも何かしら怖いんじゃないかしら、という気づき。

 

 

もしかすると、トランプさんは人に負けるのが怖いのかもしれないし、名誉や職やお金を失うのが怖いのかもしれないし、人に嘲りを受けるのが怖いのかもしれない。支持者の人たちは、自分の声を代弁してくれていた人が失職することによって、自分たちが優遇されなくなるかもしれないし、今度は民主党の支持者にやられるかもしれない、という怖さがあるかもしれない。

 

怖いものは、人によって様々だと思いますが、何かしらの恐怖があるから、誰かしら敵を作って攻撃せずにはいられない。ダライ・ラマ法王やプロセスワークのアーノルド・ミンデル博士を見ていると、本当に怖いもののない人には、他者をそのまま受け止める大きなスペースがあるのです。

 

 

その気づきを持って自分の内面を見つめてみると、私の中にもトランプさんや支持者の人たちのような、いつも誰かを非難し攻撃し、闘っているような人を”自分とは絶対に相容れない人”として区別していることにも気づきました。つまり、私の中でもその人たちを非難し闘っていた。そして、その自分の中の分断を癒さないことには、どんな言葉を使っても平和とは程遠いと。

 

誰かを敵とみなして攻撃をしかける人も、きっと心の深いところで怖れがある。だから排除したくなる。それは、私も同じ。それが分かると、段々と相手に対する慈愛の気持ちが芽生えてきました。

 

そして、トランプさん関連の報道を見る目が、とても楽になりました。彼のTweetを見ても、支持者の怒りに満ちたTweetを見ても怖さや腹立たしさを感じず、穏やかに客観視できるようになったのは、大きな変化です。

 

 

鍵はやはり、自分の感情から逃げないこと、そして徹底的に正直に自分の内面を見つめることですね。

 

何を感じたとしても、そこから逃げずに感じ切る。すると、感情は必ず水のように流れて変化し、解放へと向かって行く。そして、自分の中に、意見の異なる誰かを排除したくなる自分がいないかどうか、人種や住む地域が違うというだけで人を差別していないかどうか、正直に、でも責めることなく自分を見つめられるかどうか。

 

 

そんな風に、自分の中で未解決となっている感情を解放し、分断を癒していってくださる方が増えればいいなあ…と願いつつ、私も、また一つ一つ自分の内面を癒しながら、歩いていこうと思います。