コロナロス?

 

Yahooニュースを見ていましたら、興味深い記事を見つけました。精神科医の斎藤環医師へのインタビュー記事で、新型コロナに関して「早く収束してほしいという思いと同時に、終わってしまったら困るという思いが存在している」という趣旨のものです。

 

私なんかは、”早く収束して遠方に住むお友達に会いに行きたいなあ…、東京の美術館も行きたいし、海外旅行も行きたいし”と、そればかり考えているので、コロナが終わってしまったら困る人がいるなんて想像もつきませんでした。

 

さて、どんな人が困るのか興味津々で読み進んでみると、どうやら主にマスコミの人たちなのだそうです。

 

「マスコミにとってコロナ禍は、その報道に読者や視聴者が一喜一憂してくれる幸せな状況なのです。メディア人は大衆の心に強い影響を及ぼしたいという欲望を持っていますから、これだけ容易に影響を与えられるこの『蜜月時代』を終わらせたくないという欲望は必ずあると思います」とのことで、終わらせたくないからこそワイドショーなどはワクチンに対する不安を煽ったりしているのだそう。

 

 

私は全くワイドショーを見ないし、ニュースもNHKしか見ないことにしているので(淡々と事実だけを聞きたいので)、ワイドショーがワクチンに関してどんな論調で語っているのか全く知らないのですが、なるほどマスコミの人たちにはそんな心理が働いているのですね(^^;) そんな意図で番組が作られてしまうと、ワクチンに不安を持つ人が増えるのもうなずけます。

 

そのほかにも斎藤医師の興味深い考察の中に、こんなものもありました。「自分を苦しめていたはずなのに、急になくなると寂しいと言う方が結構いる。そういう感じに近いのかもしれないと思います」。それは何となく分かるような気がします。日本で新型コロナの感染者が出始めてから約1年、否が応でもこの状況に慣れてきたと言えば慣れてきましたもんねえ… いったん慣れてしまうと、人間は変化を嫌う生き物でもあります。未来にどんなに良い変化が待っているとしても、不安があって当然なのです。

 

 

他にも「身近に感染者がおらず、自分もコロナ感染を経験していない人の中には、生活がむしろ楽になったという人が意外なほどいる。気が重かった行事や会合やイベントが全部飛んで、それはそれでありがたいと感じている人もいる。ありがたくはなくても、この生活に慣れてしまったという人もいる」というご意見も、なるほど納得です。

 

私のお友達で「リモートワークは疲れる」とう人や(ちなみに車通勤の人ですが)、他のYahooの記事で読んだ”ワンルームマンションで一人でリモートワークしていると気分が落ち込んだり、仕事とプライベートの区別がつかなくなって困る”人もいる一方で、満員電車で通勤しなくていいし嫌な上司の顔も見なくて済むので、このままリモートワークを続けたい人もいるのもよく分かります。

 

要は、コロナ禍と言っても、その人の職種や環境、自分や近親者が感染しているかどうかなどによって、本当にいろんな意見があるということですね。斎藤医師の記事を読まれて「あ、正直私も終わってほしくないわ」と思われる方がいらっしゃったとしても全然おかしくないし、あって当たり前の気持ちと思います。

 

もちろん、今コロナに感染して苦しんでおられる方や後遺症に悩まされている方、日々の業務で苦労されている医療関係者の方は「何言うてんのん!こんな大変やのに」と思われることでしょう。置かれている状況によって、思いは全く違ってくるでしょうし、皆さんそれぞれが、今の自分のお気持ちを大事にしてくださればいいなあ…と願うばかりです。

 

 

そして、このコロナのおかげで楽な方向に変化できた方は、収束後もそのまま続いていけばいいですよね。会わなくなって楽になった人間関係もあるでしょうし、”あ、やらなくても大丈夫だった”って思えた仕事もあったりするかもしれません。

 

 

どんなに強い感染症でも、いつかは収束に向かうはず。そうやって、自然な変化が起こるに任せていければ、その時にどんな景色が広がっているのか、そして世界がこれからどんな流れに向かっていくのか… 私には、今はどうあれ、良い未来が待っているような気がしています。